見られると言う意識
涼介さんと毎晩電話で話している。
私が何を望むか少しづつ溶かしてくれているそうな気がする。
彼が言うのは
「見られる事を望むかどうか」
その問いにはっきり否定しない自分がいたの。
「明日、下着を外して買い物をしてきてごらん」
彼は簡単に言う。
私自身の羞恥心を試しているの?
まずは家で下着を外して撮影。
当たり前のことだけど、家の中では恥ずかしくない。
でも、このまま玄関を出るのは些か期待よりも羞恥心の方が大きい。
下着は再び着用した。
彼の指示通りにコンビニエンスストアへ行く。
心臓が頭の中にあるようにドキドキと鼓動が聞こえる。
このドキドキは期待から?不安から?
まずは彼の言う通りに下着を着用したまま店内で撮影。
この時はそれほどドキドキしてない。
トイレに入り下着を外す。
またドキドキが大きくなってきた。
しなければ良いのに撮影した写真を確認しちゃう。
下着をつけてない事がすぐわかる。
赤面する自分が解る。
暑い。
彼に店内の様子を撮影するように言われていた。
自分が下着をつけていない事を知ってるのは自分だけ。
店員、客は普通に買い物をしている。
日常の風景。
だけど、自分だけが非日常に存在。
上着で隠していたけど店内の片隅で上着をはぐり、
乳首が浮き出ている写真を撮影するように彼は言われていた。
とても恥ずかしい。
だけど、不安は少し消えていた。
むしろ、なぜ自分に注目しないのか不思議。
撮影を終えると店内を出る。
後で気が付いたのだけど、何も買い物をしないで出てきちゃった。
店を出る時の高揚感が忘れられない。
これが自分なのか。
彼はこれが言いたかったのか。
彼は週末に会いに来てくれるって。
初めて会うの。
でも初めて会う気がしない。
毎晩電話してるから?
最初はご主人様?彼氏?恋人?
そんな事を期待していた時分だけども、
少し彼は違うような気がしたし、
彼自身も望んでない様子。
どちらかと言うと兄とか父親とか。
でもおかしいね。
性的嗜好を話せる身内なんか。
彼には週末に聞いてみよう。